ストレージ設計⑩
ストレージを購入するときに考えなければならないデザインの最後のポイントです。
昨日のストレージ設計⑨でもバックアップについて説明しましたが、やはり重要なデータを保存しておくストレージだからこそ、そのデータを万が一の事態からも守るバックアップは非常に重要です。バックアップは重要なのですが、ではどのようにバックアップを取ればよいのでしょうか? バックアップについては追々このブログの中で説明していきますが、今回はストレージを購入するときに考えなければいけないバックアップの要素について語ることにします。
⑩オンラインバックアップ方法
<ポイント>
- バックアップは停止して取得することができるか?
- 停止可能な時間はどのくらいか?
- 筐体内ミラーリングにディスクがいくつ必要か?
どれほど高価なストレージ装置でもハードウェアである限り故障がないとは言い切れないはずです。そのために保存されているデータを保護するためのバックアップを取得することが求められます。4〜5年前まではハイエンドストレージ(一部、ミドルレンジストレージ)でのみ提供されていたストレージ筐体内コピー機能も現在ではミドルレンジや安価なローエンドストレージでも提供されるようになってきています。
ベンダによって呼び名が変わりますが、ストレージ筐体内コピー機能は、スナップショット、スナップクローン、ミラーリング、コピーなどと呼ばれ、ストレージ筐体内部で重要なデータと同じ内容を持つコピーを別の領域に作る機能のことを言います。(スナップショットなどいろいろな機能がありますが、今回はクローンやコピーという機能だけを説明することにします)重要なデータが2箇所にできるということは、元々業務サーバからアクセスされていた重要データ領域はそのままアクセスが継続でき、もう1箇所のコピー領域をバックアップサーバにマウントさせて、重要データには影響のないところでバックアップが取得できるということです。ストレージの機能によりコピーが作成されることから、重要データにアクセスする業務サーバには一切の負荷がかからずバックアップが取得できるようになり、極端な話、日中の時間帯でもバックアップを取れるようになります。
このストレージ設計⑩のポイントとしては、コピーのための領域は、重要データ領域と同じ容量、もしくは世代によってはその2倍、3倍の容量が必要になります。ストレージ設計⑨で書いたようにこの領域も含めてATAディスクを使うなどを考える必要がありますし、そもそもこのバックアップのためのコピー領域が必要なのかを考えることが求められます。
システムの重要性に応じて必要かどうかの判断が必要ですが、24時間365日可能な限りとめたくないシステムであれば業務サーバには一切負荷をかけないオンラインバックアップを実現するためのひとつの方法であるこの筐体内コピー機能を使いたいと思われるはずです。ストレージ筐体に保存されているデータがどれだけ重要で、どれくらいそのサーバを止められるかということを考えて、筐体内コピー機能を使うか使わないかを判断してください。
これまでストレージ設計のポイントを10個紹介しました。このポイントを抑えて設計することで、誰かに任せず自分自身でどのようなストレージが良いか、搭載するディスク本数などが決められるはずです。