ストレージ設計⑧

さて、ストレージデザイン ステップ10の8番目です。ストレージはハードウェアですが、本当に考えないといけないことはストレージにデータを書き込むアプリケーションについてです。どのようにデータを書き込むのか、少しでも性能を出すにはどうすれば良いのか、これまではディスクの数などをポイントにあげてきましたが、今回はアプリケーションについて考えましょう。

<ポイント>

  • アプリケーションの特性を考慮したディスク配置
  • 性能を求める場合は、ディスクドライブの書き込みやすい位置にデータを配置

ストレージは、コントローラに近いディスクドライブのほうが書き込みが早いと言われています。コントローラからの接続が内部的にいくつかのループに分かれてはいるが1本のパスに数珠繋ぎのように接続されているためです。それほど大きな違いはないと思われるがコントローラに近いディスクドライブのほうがコントローラから遠いディスクドライブよりも性能が変わるといわれます。


アプリケーションの特性により、容量よりも性能を求める領域が必要になることがあります。例えば、データベースのインデックス領域やメールソフトウェアのトランザクションログ領域などがそれに当たります。アプリケーションの特性を考えると必ずしもディスクドライブをすべて同じ容量、同じRAIDタイプ、同じ回転数に統一するわけではなく、性能を求める領域と容量を重視する領域をわけて考えたいです。

例えば、
ディスクタイプを選択する章でも記述しているが、アプリケーションの特性を考えると回転数が15,000rpmのディスクのほうが7,500rpmのディスクドライブよりも書き込み性能が高い。この15,000rpmディスクドライブをコントローラへ一番近いディスクスロットへ配置することにより、性能が良くなる可能性があることを覚えておきたい。また、ディスクドライブの容量でも、より小さな73GBなどのディスクドライブを横並びに配置したほうが、300GBを数本並べるよりもストライピングの幅が広がるので早くなる可能性がある。

アプリケーションの特徴をよく考えデザインをして欲しい。
これは次回に記載するバックアップ領域についても同じです