メールはすでに基幹システム

もうすでに何年前のことなのか誰も覚えていないと思いますが、会社間の取り引きを電話とFAXでやり取りをし、手紙は郵便で送っていた時代があった。その内容が電子化され、メールで必要な書類が送れるようになり、使い方によってはメールでリアルタイムで話ができるようになった。遠距離でもすぐに相手へのメールが届けられる。もう欠かせないビジネスツールのひとつであるが、企業のメールシステムは、情報システムだけの位置付けだろうか?冒頭に書いたように「もしメールが止まったら」お客様への連絡はどうすれば良いのか、受発注業務はメールが止まっている間FAXに代えられるだろうか。もはやメールシステムは、基幹系システムと位置付けても異論のない存在なのである。
ストレージとは関係ないように思えるだろうが、メールも日々圧迫しているデータのひとつであると思ってもらいたい。基幹系であるメールシステムのデータは果たして守られているだろうか?


社会人になった頃、まだメールには添付ファイルもなく、インターネットの回線も32Kだった。懐かしいと思われる方も多くいられるだろうし、信じられないと思われる若い方もいられるだろう。その時代から考えるとメールシステムのディスク容量は大幅に増えたに違いない。


今はどうだろうか?WordやPowerPointなどのドキュメントに画像を張り付けるとどれくらい増えるだろうか?フォントの色を変えれば?背景を付けると? プレゼン資料に効果的なアニメーションを付けるとどうだろうか?おそらく26KBであったファイルは50KBとなり、画像のおかげで200KBとなり、背景のおかげて500KBとなり・・・これが今の添付ファイルの現状である。この大きな添付ファイルのおかげで企業のメールシステムは悲鳴をあげている。もういくら容量制限をしてもディスクが足りない状況なのである。


また、重要なデータはすべてメールにしか残していないという社員もいると思う。メールシステムを添付ファイルのローカルディスク保存先としてやファイルサーバのように使っていると消せないデータがメールシステムに残る。メールの本文にだけ重要な内容が書かれている場合でもそのメールは消さずに、もしくはテキストに落として保存するようなことをしている人は少ないと思われる。


身近なメールシステムだが、基幹系であるという認識のもとで内部データの整理、重要なデータのバックアップ、何かトラブルが発生した場合の代替手段を考えておきたいものである。