なぜデータは増え続けているのだろうか? 

IT業界には様々な風が吹き、その度にデータが倍増の一途をたどっている。このブログを書いている自宅のPCにもデジタルカメラで取った画像、インターネットからダウンロードした映像・音楽ファイルが様々な場所に保存されている。インターネットの普及がデータの倍増を生んでいる。 

身近なところで例えを出すとわかりやすいと思う。近所にできた新しい病院へ訪れたときのことである。昔は(今も近所の小さな診療所ではそうだが)紙のカルテが準備され、医師はそのカルテにペンで症状や痛みのある部位の絵を描いていたものである。現在では医師の前にはモニタが置かれ、自分の名前や問診表に記述した症状がモニタの画面に映し出されている。血液検査とレントゲンを撮ってきてくださいと言われたのだが、その医師はマウスで画面の中の依頼表をクリックし、血液検査とレントゲンの依頼を各医科に提出していた。それだけでは終わらない。ひと通りの検査を終え、再度医師に呼ばれて診断室へ入ると、その画面には血液検査の結果、レントゲンの写真が出され、医師は「うん。問題ないですね」と一言。おそらくCTスキャンの輪切りの映像も記録されているに違いない。病院内のすべてのデータが電子化され、ストレージに保存されているはずである。データが増える1つ目の理由は、紙データの電子化である。アナログな自分には些か不満はあるが、よく考えると、これも企業のデータを増やす原因のひとつだなぁとストレージの頭で考えてしまう職業病が出てしまうのである。

もうひとつの例え、それは自分のPCにある。日々の業務に使うファイル、ドキュメント、構成図、画像がフォルダに保存されている。非常に重要なデータなのだが、一向に減る気配がない。気付いてみるとPCのハードディスクの残りがあと3GBと逼迫していることがよくある。なぜこんな事態になるのかというと、これでもものは捨てられるほうなのだが、データが消せない。もしかしたら将来使うかもしれない、データは消してしまったらもう元には戻らないのだという恐怖感から消すことができない。

企業のファイルサーバを見てみると、その企業内で働くいろいろな人々の作成したファイルが保存されている。自分のPC内のファイルすら消せないエンジニアが人のファイルをもう使ってなさそうだからといって消せるだろうか?消せなければ、日々データが保存されていくだけであるから、データは増える。

「なぜデータは増え続けているのか?」という質問は「なぜデータは減らないのか?」という質問に言い換えることができる。実は、法律も関係している。次回に記載したい